なつこのはこ(創作のはこ)

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ショート・ショート

「桜」

  ひらひらと舞う花びら。
振り返りし人は、誰そ。
一陣の風が吹き、
その姿、花吹雪に消えたり。

「なにゆえ、隠したもうたのじゃ、姫さま」
「案ずるな。時来たれば、巡り逢える」
「…酷じゃのう」
「なんの。しばしの間であろ。まばたき程の、な」
「姫さまにはまばたき程の間じゃっても、あの2人には白髪置く程であろうに…」
 姫は、長き白髭を顎にたくわえた爺を見た。
「やけに肩を持つな」
「少ぅしばかり、かかわりがござっての」
「また、爺は人の世に出しゃばって」
「ほっほ。人の世は面白うござる」
 遙かに長く生きる爺に、姫は苦笑する。
「はても酔狂な。ほどほどになされよ」
 
幾とせ、この桜、見送りしか。
あの折り、かいま見し姿、まなこ離れず。
ひらひらと、舞う花びら。
一陣の風が吹き、
花吹雪の向こうに見えしは…。



コミュニティ・「月イチ発表会」3月 お題提供:あくびさん(ブログ実験室





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