なつこのはこ(創作のはこ)

  「ドールのはこ」から「創作のはこ」へと変わりました。 皆様、よろしくお願いいたします。

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う~ん・・・

お知らせ&創作その他


ブランク明け、2作目少し直しました。
でも、以前の自分の文章とはどこか違う。
読み返していても、なんだか違和感。
何がいけないんだろう。
どうすればいいんだろう。

とりあえずは、3作目に取り組みたいと思います。
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ニコッとタウン・自作小説倶楽部サークル・6月お題『雨』/「雨粒」2

サークルお題


    Ⅲ
 今日もじめじめとした雨が続いていた。
 朝なのになんだか空は暗いし、連なる傘もぶつかりあってうっとうしい。
 セットしたばかりの髪も、湿気でぐしゃぐしゃになっている気がする。嫌だな、もう。
 駅のロータリーを歩いていると、小さなしぶきをあげて、一台の軽自動車が止まった。女性向けに作られたシックでお洒落な車。CMで見ていいな、と思っていたのと同じだった。
 停車した車の扉が開く。
 助手席から傘もささずに飛び降りてきたのは、彼、だった。
 思わず足を止めてしまったのは、運転席の人影が見えたから。
 女性、だった。
 顔までは見えなかったけれど服の様子からして、若くて可愛い感じの女性。
(奥さん、よね・・・)
 結婚指輪をしていない男性は多い。彼が未婚だなんて、どうして勝手に決めつけていたんだろう。
 あっけなく終わってしまった恋。そのまま雨粒のように散っていった。
 彼は雨を避けるように、改札まで走り抜けていく。
 私はその場に立ち尽くしたまま、後姿をみつめていた。
 どん、と後ろから追い抜いていく人の傘が当たる。
 我に返って、自分も改札へと急いだ。
 今日は、いつもの車両よりもずっと後ろの位置に並んだ。
 彼の顔を見たくなかった。

    Ⅳ
 梅雨が明けて今朝も、うだるような暑さだ。
 駅の改札口を抜けていく人たちも、心なしか疲れているように見える。土曜日まで、まだ二日もある。
「おはようございます」
 背後から明るく声を掛けられ、驚いて振り返る。あの日以来、なるべく避けていたのにとうとう会ってしまった。
 彼の後ろを、あの女性が運転するお洒落な車が通り過ぎていく。
 どうしてこの人は、こんなにも気軽に挨拶してくるんだろう。奥さんがいるくせに。何度か見てしまったあの女性は、可愛らしい人だった。きっと彼には愛おしくてたまらないに違いない。
 暑いですねという彼の言葉に、曖昧な笑みを浮かべてホームへ向かう。
「今日は機嫌が悪くて大変でした」
 奥さんのことだろうか。彼は頭の後ろを掻きながら、参ったような表情をしている。
(それはご愁傷さま)
 朝から夫婦喧嘩ですか。そんなのろけ話なんて聞きたくない。
「駅まで送ってもらっている負い目があるんで、延々愚痴を聞かされました」
 それは仕方ないでしょう。どちらが悪いのか知らないけれど、何故それを私に聞かせるの。
「妹にも困ったものです」
 妹・・・?
 奥さん、じゃないの?
 待って、待って。たとえ妹だからといって、この人が既婚者じゃないってことにはならない。
「明日の夜、会えませんか?」
 唐突な誘い文句に、頭の中が混乱した。
 会う、というのはどういう意味だろう。デートのお誘い? それとも平気で不倫をする人なの? 
 そんな人じゃない、と、思う。多分。ただ、すぐには返事ができなかった。
 黙ったままの私が拒否したのだと受け取ったのか、都合が悪いのなら構いません、と言って彼は視線を外した。
 私は思わず、大きな声で答えていた。
「会えます」
 周りの人が驚いたように振り向く。
 注目を集めてしまって、顔から火が出そうになった。
 そんな私の手を取ると、彼は人の輪から抜け出すように駆け出した。大きな手に引かれながら、私は映画のワンシーンみたいだと可笑しくなった。
 彼も同じだったようで、ホームに着くと二人共肩で息をしながら、久しぶりにこんなに走った、と笑い合った。
「あなた、妹のこと誤解していたでしょう」
 言い出す機会も、誘うきっかけもなかなかなくて悩んでいたのだと言う。きっとそれは、私が会わないように電車の時間をずらしていたからだろう。
「僕は未婚です。あなたも、ですよね?」
 指輪のない私の左手の薬指を、彼はじっとみつめた。彼の視線が熱くて、体温が少し上がった気がする。
 私たちは携帯のアドレスを交換して、明日会うお店を決めることにした。
 彼は、承諾してくれて本当に嬉しいと言ってくれた。私も勘違いしていたことがわかってほっとした。でも、いつから彼が気付いていたのかと考えると、自分の言動を思い出して気恥ずかしかった。
「まずは友達から、って学生みたいですね」
 梅雨明けの青空のような、彼の笑顔がまぶしい。こんな風に思うなんて、本当に学生みたいだ。
 ホームに電車が滑り込む。巻き起こる風の中に、微かな彼のコロンの香りがした。見上げると、優しい瞳がみつめていた。
 ふいに私の手を、彼が引き寄せる。目の前には彼の胸がある。戸惑う私の背後で、電車の扉が音をたてて閉まった。
 満員電車が動き出す。
 彼と腕の中にいる私。
 二人だけの世界をはらんで。

      (了)

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ニコッとタウン・自作小説倶楽部サークル・6月お題『雨』/「雨粒」1

サークルお題


    Ⅰ
 天気予報では梅雨前線が活発化して、大雨になると言っていた。

 就業時間が終わるまであと三十分程、既に雨は本降りになっているらしい。続々と戻ってくる営業の人たちは皆びしょぬれだ。
今日の合コンは中止だってという声や、電車が止まらないといいがと心配する声が飛び交っている。入社三年目の私も急いで帰り支度をする。

 外へ出ると傘を打つ雨音が大きくて、跳ね返る雨粒にパンプスの中までびしょ濡れになった。梅雨時は本当に嫌になる。お洒落しても髪はぐちゃぐちゃ、服は湿気や汗でべとつくし。最近は可愛い長靴や雨コートも売っているけれど、短い期間のために買うのもなんだか気が引ける。でもやっぱり買った方がいいかなと思いながら、電車を降りる。
 いつもより人の多い改札口を出ると、人だかりになっているバス乗り場が見えた。案の定バスは止まっているようだ。一体どれくらい待てばいいんだろう、とため息をつきながら、同じく列の並んでいるタクシー乗り場へと向かう。
 その時駅のロータリーを、一台の車がもの凄いスピードで走り抜けて行った。排水溝に流れきれない大きな水たまりの上を。
 あっと思う間もなく、私は大量の水しぶきを頭からかぶってしまっていた。
 傘の内側から、ぽたぽたと雨水が落ちてくる。
 信じられない。どうしてあんなスピードを出して走るのよ。
 髪からも水がしたたり落ちてくる。服も泥水で汚れてしまっていた。最悪だ。濡れた服が肌に張り付いて気持ちが悪い。その上肌寒くなってきて、風邪を引きそうな嫌な予感がする。気力をなくしてしまった私は、その場に座り込みたい気分だった。
 ふわり。
 その時、私の肩に何かが掛けられた。
 あったかい。
 それは背広だった。
「羽織っていてください」
 同世代くらいの男性が心配そうな顔付きで、私のことをみつめていた。
 知らない人だ。
 慌てて背広を返そうとする私を、彼は横を向いて手で制止した。
「その・・・、透けて見えるので」
 胸元を見ると、濡れたブラウスから下着が丸見えだった。見られた。どうしてこうなるの、もう。
 でもこのままでいるのは嫌だし、ご好意に甘えることにした。それに、ちらりと見た彼の顔は少し赤らんでいた。いい人、なのかもしれない。
 そのままなんとなく連れ立ってタクシー乗り場に並んだ。
 それにしても、この人はあの時どこにいたのだろう。背広も少し泥水で汚れていたから、近くにいたんだろうか。
 背広は私には大きくて、とても暖かかった。それと、ほんのり心地よいコロンの香り。少し汗の匂いもしたけれど、それが嫌でなかったのは、彼の優しさが嬉しかったからなのかな。
 タクシーは一時間くらい待っただけで順番が来た。乗るときに丁寧にお礼を言うと、背広を彼に手渡した。もう会うことはないだろう相手だし、洗って返すという言葉は使わなかった。
 彼は、私の胸元を見ないように気遣ってくれていたように思う。どういたしましてと笑顔で答え、ドアが閉められるように一歩後ろへと下がった。
 走り出す車の窓から見えたのは、タクシー待ちの列から離れる彼の姿だった。
 近くに住む人だったんだろうか。背広を貸してもらった上、付き合わせてしまった申し訳なさに、でもどうすることもできず彼の後姿を見送った。
 いつか会うことがあったらもう一度お礼を言おう。そう考えながら、私は微かなコロンの香りを思い出していた。

     Ⅱ
 今日は、新品の傘をおろした。
 セールで買ったものだけれど、狙っていた物だったから気分がいい。
「おはようございます」
 聞き慣れた声に振り返る。
 打ち付ける雨の中で、傘をさした爽やかな笑顔の彼がそこにいた。
 あの日の翌朝、駅のホームで彼と会った。電車の時間が同じだった、というよくある偶然。お礼とクリーニングに出さなかったお詫びを伝えると、彼は笑って気にしないでくださいと言ってくれた。
 それから、駅でよく出会うようになった。本当は今までも会っていたのかもしれない。あの日までは、ただの知らない他人だった。だから、お互い気に留めていなかっただけなんだろう。
 会っても挨拶する程度だけれど、そんな日は一日中なんだか気分がいい。今日は新調の傘だし、いいことがあるかも。
 そこまで考えて、気付いた。私は彼に会えるのを心待ちにしていたのかもしれない、と。
 まだ使える傘があるのに新調してみたり、同じ時間の電車に乗り、必ずいつもの車両待ちをするようになったのは・・・。
 社会人になって付き合った人はいたけれど、別れてからもう一年くらい経つ。普段は家と仕事場の往復で、時々女子会で騒ぐくらい。合コンに行く気にもなれず、結婚しない若者の一人になりつつあるのかもと思っていた。
 そういえば仕事中に、ふと彼のことを考えている時がある。朝も、また会えるかなと楽しみにしていたりする。
 それって、恋、なんじゃない?
 恋、か。ふふ。
 そう思うとなんだか、ふわん、とした気分になった。
 その時車両の微妙な冷風の中に、微かなコロンの香りがした。彼と同じ物だ。いつの間にか覚えてしまった香り。
 そう思って目の前に立つ人を見上げると、果たしてそこには、彼がいた。
「相変わらず混んでいますね」
 苦笑する彼に、頷く。
「苦しくないですか」
 大丈夫です、と小声で答える。自分の気持ちに気付いてしまった今、なんとなく彼と瞳を合わせるのが恥ずかしい。
 気付けば、彼との間には少し空間があった。満員の筈なのに、密着しないように吊革に両腕を預けて身体を支えている。それで冷風が彼の香りを届けてくれたんだろう。
 気遣ってくれているのかなという嬉しさと、密着しても構わないのにという大胆な気持ちが交錯する。
 私が下りる駅まではあと二駅。
 こうして彼と一緒にいられるのも、あと少し。もっとこの時間が長く続けばいいのにと思うけれど、無情に電車は走り続ける。

     (つづく)

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久しぶりで、滝汗

お知らせ&創作その他


ようやく、小説を書こうという気持ちになれました。
実に3年振り。
その間、レベルが落ちているのは当然なのですが、
地べたに落ちている程酷かったのには、自分でも情けなかった・・・。
結局友人に頼って、どうにか日本語に直しました(多分)。

自分にいろいろ課題を課して、精進しなければと痛感しました。
どうしても書かなければならない小説が待っています。
それを書くためにも、まずは、新しい階段を再び上がっていかなければ。
余りにもつたな過ぎる、久しぶりの小説『えにし~縁~』。
読んでいただけたなら、幸いです。
(UPしてから、何度も書き直しました。26日現在、これが最終稿です)

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えにし~縁~ その7

「えにし~縁~」


えにし~縁~ その1
えにし~縁~ その2
えにし~縁~ その3
えにし~縁~ その4
えにし~縁~ その5
えにし~縁~ その6
(つづき)


 彼に連れられて行ったのは、近くの駐車場だった。
 止めてあった車の後部座席に私を座らせる。その窓はスモークがかかっているから、外から見られる心配はない。
「後ろのドア、チャイルドロックがかかってるから、開かないよ」
 チャイルドロック?
「休みの日に、甥っこを乗せるからね。トランクには、チャイルドシートもあるよ」
 世間では二枚目俳優で通っている彼とチャイルドシートが結びつかなくて、思わず笑ってしまう。
「ようやく笑ってくれた」
 バックミラーで見えていたのがわかって、恥ずかしさに俯いてしまう。
「あ、最初に言っておかなくちゃ。俳優だけど、あなたの前では演じてないからね。素の俺だよ。これだけは信じて」
 今更だった。彼の笑顔は本物なのだから。
「信じる」
「良かった。それだけが心配だったんだ」
 素の彼の表情は、ドラマで見るよりも少しだけ若く見える。
 それは自分の年齢との差を目の前に突きつけられる、哀しいものではあったけれど。
「ほんとは助手席に座って欲しかったけど、後ろもいいね。ミラーでいつでも確認できる」
 そう笑いながら、彼は運転を続けた。
「これで手をつなぐことができればいいんだけどな。もっと小さい車にすればよかった。あなたと手をつないでいると、気持ちがいいんだ」
 なんという車種かは知らないけれど、確かに中は広い。
 どこに行くとも決めていない、ただのドライブ。隔たりを埋めるかのように、互いに話し続ける。
 どれくらい走っていただろう。高速に乗った時、家のことを思い出して、ほんの少し胸が痛んだ。けれど、自分の気持ちを決めた今、その痛みを捨てることに何のためらいもなかった。
 休憩のためにサービスエリアへ入った頃には、もう日が暮れていた。辺りは暗く、彼と私は手をつないで、人の少ない場所にあるベンチへ腰掛けた。
 声でばれてしまうといけないから、小声で話す。わざと耳元で囁くから、やめてと言いながらふざけ合っている姿は、よくあるカップルのいちゃつきにしか見えないだろう。
 ずっと手はつないだままだった。
 話は尽きなかった。お互い、これまでどんな人生を送ってきたのか。普段、どんなことをして過ごしているのか。犬を飼っている彼にそのことを尋ねると、楽しそうに話してくれた。
 車の数が減ってきて人通りが絶えた時、軽くついばむようなキスをされた。さすがにそれには驚いて、離れようとした。そんな私を彼は抱きしめる。
 暗闇が私たちを隠してくれる。私は彼の胸に身体を預けた。
 彼の心地良い声と温もりに、ただ酔っていた。本当に楽しくて、嬉しくて、このままこの時間がずっと続いて欲しい、そう願った。

 そんな時だった。
 彼の携帯音が暗闇に響いたのは。
「出ないの?」
 とっさに、マネージャーからかもしれないと思った。売れっ子の彼に、自由な時間がそうそうあるとは思えない。
「今はいい」
 電源を落とそうとした携帯を取り上げる。
「駄目よ、出なくちゃ。そうでなければ、あなたのことを信じてくれた人たちを裏切ることになる」
 そう、これを逃避行にしてはいけないのだ。これからのために。
 彼は頷くと、携帯を受け取った。やはり仕事の話のようだった。

 電話を終えた彼は、私を強く抱きしめてくれた。
 今だけは現実から逃れたかった。せめて家に戻るまでの数時間だけは。
 長い指が、私の顎にかかる。
 見上げた彼の顔は、涙が出そうになるほど優しかった。
 近づいてくる気配に、私はそっと目を閉じる。
 唇が重なり、それは次第に互いの息を奪うような深いものになっていく。
 息を切らしながら、唇を合わせたまま彼が囁く。
「愛してる」
 涙が、つうっとこぼれた。
 その涙を、彼が優しく唇で吸い取ってくれる。
「私も」
 この時、私たちは、とても幸せだった。

 嵐はやって来た。
 主人は、離婚に同意してくれなかった。親からは、不倫などしてと怒鳴られた。実家へ戻ることはできず、ホテルに泊まるお金などない私は、家を出ることもかなわなかった。
 早く離婚したかった。主人に責められる毎日は地獄だった。
 彼が公言したことで、リポーターたちに追われることになった。熱狂的なファンからの嫌がらせも受けるようになったという。どうやって調べたのか、私の家にまで押しかけるようになり、外へ出ることもできなくなってしまった。
 執拗なファンからの脅しに、どこまでもつきまとうリポーターたち。
 私たちは会うこともままならなくなった。
 私が結婚していることで、彼はCMを降板させられた。決まりかけていた新ドラマも、どうなるかわからないらしい。
 どんなに気持ちが通い合っていたところで、二人の間にある障害は大き過ぎる。
 何もかも、私のせいだ。
 でも、彼は世間には屈しないと言ってくれた。
 私はどこまでも彼について行く。あの日友人の前で、そう決めたのだから。


      (おわり)

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